アパートバブル終息?

2017/11/19

アパートバブル終息? 着工3カ月連続減、無料貸しも 金融庁、地銀監視を強化

 

20171021 アパートバブル終息? 着工3カ月連続減、無料貸しも 金融庁、地銀監視を強化

 

2017/10/21付日本経済新聞 朝刊

 

アパートバブルに終息の兆しが強まっている。相続税対策と低金利を背景に貸家の新設着工は

2年近く高い伸びが続いたが、このところ3カ月連続で減少。地方では空室が埋まらず、一定

期間の無料貸しを売り物にする物件さえある。貸出先に困っている地銀はアパート融資に奔走

してきたが、金融庁の監視強化で流れが変わりつつある。

 

地方で空室が埋まらないアパートが増えている(栃木市)

 

入居者様募集――。JR栃木駅から徒歩30分。空き地や山々に囲まれたある地域には、アパート

の入居者を募るノボリや看板がわずか数百メートルの範囲に8つも立っていた。今夏に完成した

新築の物件は20部屋弱のうち、9割ほどは埋まっていない。不動産店に問い合わせると「今なら

キャンペーンで2年間は賃料を毎月5千円下げる」という。

物件を大手不動産サイトで検索すると、「フリーレント」のサービスを付けると書いてある。

不動産業界は空室が埋まらない場合、1~3カ月の無料貸しをしたうえで契約に結びつけることが

ある。

栃木では千件以上の物件がフリーレントに出ている。地元の主婦は「昔は兼業農家が多く、誰も

土地を売らなかった。今は農業をしないし、相続対策でアパートが増えた」と話す。

 

相続対策が一服

 

アパートは2015年1月の相続税の優遇策に加え、日銀が16年2月に導入したマイナス金利に

よって急速に伸びた。貸家着工は6月まで19カ月連続で増加。16年度は全国に43万戸弱が供給

されており、前年度比の伸び率は2ケタ増と、まさにバブルの様相を呈した。

 

貸家は人口減少が続く地域でも田んぼや空き地に建てられたが、この先はトレンドが変わる公算が

大きい。

 

アパートバブルを引っ張ったのは地銀勢だ。日銀のマイナス金利で稼げなくなり、収益を穴埋め

するため一斉にアパート融資に動いた。「土地持ちの地主にアパート営業をかけろ」を合言葉に、

全国の地銀が一斉に貸し込んだ。

16年末のアパートローンの融資残高は前年比5%増の22兆円強と過去最高に達した。そのうち

6割強は地銀の融資だ。

 

「アパートローンは持続可能ではない」。今月18日。都内で開いた全国地方銀行協会との意見交換会

で、金融庁首脳は居並ぶ地銀トップにこう明言した。節税効果を強調し、将来の空室リスクを十分に

説明しないなど、同庁は顧客を軽視した姿勢を問題とみている。

一部の大手地銀は昨年、顧客を建築業者に紹介する見返りに、手数料を受け取った。この取引は違法

ではないが、過度な手数料獲得に動けば、その分安く建てたい顧客が不利益を被る。金融庁は「顧客

本位の業務運営」を地銀に求めており、一連の行きすぎた融資を看過できなくなった。

金融庁幹部は「アパート融資は地銀と顧客の信頼関係を損ないかねない。今後も実態の把握を続ける」

という。都心部のアパート需要は残るが、人口減少が加速する地方で年間数千戸単位の新規供給を

続けることは理にかなわない。宴(うたげ)は終わりつつある。

 

~以上、一部抜粋~

 

突如盛り上がったアパート投資。

実際に投資用アパートを扱っている最大手の不動産会社は「億」どころか「兆」を超える売上高を記録。

相続税対策として土地持ちの方を対象にしたものから、土地付きで自己資金を抑えたプランを売りに

する一般サラリーマン向けのものまで、アパートを扱う各不動産会社の売上が大きく伸びました。

 

実際に当社のセミナーにご参加いただく方の中にも一昨年から今年にかけてアパートを建設されている

方が複数名いらっしゃいました。

 

しかしこのアパート投資に変化が訪れたようです。

 

記事にもあるように、アパート建設が急激に増えた背景には2つの大きい要因があると言われています。

 

①相続税対策

相続税・贈与税の税制が改正されたことで、多額の資産を保有している方や土地を所有している方が

税金対策として一斉にアパート投資をおこなったこと。

 

②マイナス金利政策

金融機関は「マイナス金利政策」により稼ぎが減り、その穴埋めとしてアパートローンに目をつけ

地主や一般サラリーマンに多額の貸付をおこなったこと。

 

大きく分けるとこの2つで、その他にも不動産投資熱が高まったことや将来不安が強まったことも

要因として考えられます。

 

2016年の半ば頃には既に、この“需要を超えた過剰供給”と“地銀の融資”は問題視され新聞記事

にも頻繁に取り上げられ、当社セミナーでも以前から皆様に注意喚起をしておりました。

記事の冒頭には「空室が埋まらないアパートが増えている」とありますが、これは今に始まったこと

ではなく昨年、一昨年の段階で既に問題になっていました。

それでも供給が止まなかった背景としてアパートを供給する会社や銀行が家主に対してリスクを

おおやけにせず地主や投資家の恐怖・欲望を煽った自分本位な営業をしていた…と疑われてもおかしく

ありません。

 

現時点で既に問題視されていますが「少子高齢化」「東京への人口一極集中」「アパートの老朽化」等、

じわじわと時間が経てば経つほど苦しい思いをされる家主が全国で増えてくるのではないでしょうか。

 

世の中どのような商品でも「需要」と「供給」のバランスが大切になってきます。

供給数に対してどれだけ“欲しい”と思う人がいるか、これが価格に影響します。

 

わかりやすい例でいえば1996年に発売された「たまごっち」。当時は社会現象となり子供から大人まで

日本中で大ブームがおこりました。需要に対して生産が追いつかず、元々1,980円という価格でしたが

1~2万円で取引、また、特に白いたまごっちにはプレミアがついて10万円前後で取引されていたと

いうのだから驚きです。

 

そして、今でこそどこでも手に入りお手軽な朝食となっている「バナナ」ですが、輸入制限措置が自由化

される昭和38年まではメロンに並ぶ高級品として扱われていたそうです。

当時、サラリーマンの平均月給が10,000円弱という時代にバナナ一房で250円もしたそうです。

現在に換算すると約5,000円になるのでしょうか。

 

当然、不動産投資も「需要」と「供給」のバランスがとても重要になってきます。

【需要】

・借りて住みたいと思う入居者

・(売却した際に)購入したいと思う投資家

 

この基本を中長期で考えることが入居率や賃料、価格を守る上で重要になってきます。

・貸そうした場合、人口が減り続け、借り手となる入居対象者が減っている地域で高い入居率、賃料で

貸し続けることが出来るのか

・売却して現金化しようとした場合、人口が減り続け、入居者がろくにつかないようなアパートを購入

したいと思う投資家がいるのか

 

今回のアパート投資に限らず、この需要と供給のバランスを無視した投資をすれば歪が生まれるのは

当然のことです。

大きい業者や銀行の言うことは必ずしも正しいことだけではありません。

最低限、ご自身で判断する必要があります。

 

地球上、有限である「金」や「ダイヤモンド」が高値で取引され続けるのには理由があります。

同様に「東京」の不動産が高値で取引されるのにも理由があります。

 

経済の基本である「需給バランス」の大切さを改めて認識させてくれる内容ではないでしょうか。

 

最後までお読みいただきましてありがとうございます。

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